社会人になると
日頃、仕事で
お付き合いのある方の
冠婚葬祭に参加する事が
増えてくる事と思います。
今回は冠婚葬祭のマナーから
葬儀、法要についてお伝えしていきます。
①訃報を受けたら
電話などで直接訃報を受けた場合は
まずはお悔やみの言葉を述べましょう。
通夜や告別式に参列する場合は
日時、場所、宗派を確認します。
また、参列出来ないときは弔電を打ちます。
弔問については、故人との付き合いの
深さや関係によって変わってきます。
遺族への配慮を最優先に自分の立場に
即した行動をとりましょう。
・ 親戚
近しい親戚の場合は訃報を聞いたらすぐに
駆けつけ、通夜や葬儀は喪主側の立場で
参列します。
すぐに駆けつけられない場合は
通夜と葬儀に参列します。
参列出来ない場合は弔電を打って
後日お参りします。
疎遠な場合は通夜か葬儀に参列。
参列できない場合には弔電を打ち、香典を
郵送しましょう。
・ 親しい友人
訃報を聞いたらすぐに駆けつけ
状況に応じて手伝いを申し出ましょう。
通夜・葬儀にも参列します。
・ 知人
通夜か葬儀・告別式のいずれかに
参列します。
・ 会社の上司
すぐに駆けつけ、裏方として手伝いをします。
通夜・葬儀ともに参列します。
・ 友人、知人の両親
付き合いの程度を考慮し
できる限り通夜か葬儀・告別式の
いずれかに参列します。
※ 訃報を後から知ったら
年末になって遺族から喪中ハガキをもらい
初めて亡くなったことを知らされたという
こともあるでしょう。
その場合は遺族にお参りしたい旨を伝え
香典を持っていきましょう。
②通夜・告別式のマナー
・ 服装
基本的に色柄もののシャツ、
靴下、ストッキング、アクセサリーや
派手なメイクはNGです。
また、通夜と告別式では
若干服装が異なります。
【男性】
通夜 ⇒紺、グレーの地味なスーツに白いシャツ。
ネクタイは地味な物を着用。
告別式⇒ブラックスーツか、無地のダークスーツを着用。
【女性】
通夜 ⇒黒、ダークグレーの地味なスーツかワンピ−スを着用。
告別式⇒ブラックスーツのフォーマルな喪服を着用。
・ 香典
香典とは霊前に供えて香や花の代わりとする
金品を言います。
通夜か告別式のどちらかに持参します。
名目や不祝儀袋の種類は、宗教、宗派に合わせましょう。
【仏式】
「御霊前」「御香典」などを書き、
下に会葬者の名前を書きます。
蓮の花の絵が入っている
ものは仏式のみで使用します。
【神式】
「御霊前」「御玉串料」などを書き
下に会葬者の名前書きます。
【キリスト教式】
「御霊前」「お花料」などを書き、
下に会葬者の名前を書きます。
十字架が描かれたものはキリスト教のみで
使用されます。
【金額の目安】
相手 金額
親 100000円
祖父母 10000円
おじ・おば 10000円
近所の知り合い 5000円
親しい友人・会社の同僚 100000円
・ 記帳
基本は自分の名前と住所を書きます。
妻が夫の代理で来た場合は夫の名前を書き、
その左下に「内」と書きます。
会社関係の参列であれば会社名と会社の住所を書きます。
上司の代理で来た場合は、上司の部署名、役職名、名前を
書き、下に、小さく「代」と書くと良いでしょう。
・ 焼香
まずは遺影に一礼
↓
抹香をつまむ
↓
頭を軽く下げ、目の高さまで抹香を上げ、
香炉に入れる。
※ 回数に決まりはないのですが3回が一般的です。
弔問客が並んでいる場合は1回にするのが良いでしょう。
↓
合掌
↓
遺族に一礼し、下がる
③通夜に参列する
通夜とは亡くなってから
1~2日後に行われる最初の式です。
多くの場合、午後6時〜7時に行われ
多くの人が駆けつけます。
【通夜の流れ】
(1)受付
開始の1時間前〜30分前に開始
(2)僧侶到着
(3)開式
僧侶が仕度している間に親族は着席。
大抵、弔問客全員分の椅子はないです。
(4)読経
(5)焼香
読経中に葬儀社によって案内があります。
(6)僧侶退場
※ 通夜の形式
上記は最も多い仏式の通夜の流れです。
仏式の葬儀では数珠を持っていきます。
焼香の際は左手に数珠を持ち、
合掌するときは両手を輪に通すのが
一般的です。
神式、キリスト教式になると
それぞれ流れが違ってきます。
神式では焼香ではなく、
葉の付いた枝を供え、二礼二拍手一礼を
する玉串奉奠を行います。
またキリスト教式では焼香はなく
献花を行います。
式場に行ったらまずは受付へ行き
「この度はご愁傷様です」と挨拶するか
黙礼しましょう。
記帳をし、香典を渡しましょう。
開式後は読経中に順番に焼香をして、
別室の通夜ぶるまいへ。
お酒も用意されていますが、飲んで騒ぐのは
マナー違反です。故人を偲びながら箸をつけ
長居はせずに退席するのが礼儀です。
④告別式に参列する
故人との最後のお別れをするのが告別式です。
棺に眠る姿を見てお別れの言葉を掛けましょう。
【葬儀告別式の流れ】
(1)受付
通夜の流れとほぼ同様です。
(2)僧侶が読経
(3)焼香
読経中に葬儀社によって案内があります。
(4)弔辞・弔電の読み上げ
3通程度が目安とされています。
(5)喪主挨拶
(6)故人との別れ
供花や故人の愛用物などを棺に入れる
(7)出棺
(8)喪主による出棺の挨拶
開始時間の15分前には式場に入ります。
受付で記帳し、通夜に来られなかった場合は
香典を渡します。
その後着席をしましょう。
(都市部では立っていることも多い)
親しい場合は故人と対面してお別れをします。
出棺時は近親者や親しい男性が棺を霊柩車へ
運び入れ出棺となります。
できるだけ出棺までは参列するべきですが
どうしても途中退席しなければならない時は
出やすい位置にいましょう。
【火葬場での流れ】
親族やごく親しい間柄の人のみ
火葬場へ同行しましょう。
喪主が位牌を持ち繋がりの深い遺族が
遺影を持って先導します。
(1)納めの儀式としての僧侶の読経
近年は省略されることもあります。
(2)荼毘に付す(火葬する)
1~2時間かかるので、控え室へ。
この間酒類やお茶、菓子が用意されています。
同行者は遠慮なく頂いて良いのですが、
お酒の飲み過ぎは非常識にあたります。
(3)収骨
喪主から縁が深い順に二人一組で
一片の骨を箸で拾い上げ骨壺に収めます。
これを「はしわたし」と言います。
終ったら次の方へ箸を渡します。
火葬場から式場に戻った際、
玄関で肩や胸、背中に清めの塩を
かけます。
手には柄杓を持って清めるのですが、
最近は省略されることも多いようです。
また、浄土真宗、キリスト教、無宗教では
塩はありません。
※弔問客は家に入る前に塩をかけます。
近年は葬儀当日に初七日の法要も同時に
行うことも多くなっています。
初七日法要が終ると「精進落とし」として
食事会が行われます。
ちなみに仏教での「精進落とし」は
本来四十九日法要の後に行われます。
⑤葬儀でのタブー
昔の習わしと現在、地方と都市部で
それぞれで正しい執り行い方やマナーは
変わってきています。
しかし、全国共通で不作法、タブーと
言われていることもあるので注意しましょう。
【言葉】
通夜や葬儀の場では忌み言葉に注意。
「重ね重ね」「またまた」「たびたび」
「返す返す」「しみじみ」など使いそうな
重ね言葉は不幸を繰り返すことを
連想させるのでNGです。
「迷う」「浮かばれない」なども
成仏できない意味を持つので
使わないようにしましょう。
また「とんでもないこと」「大変なこと」も
タブーとされているので注意しましょう。
ちなみにキリスト教式や神追式では
「ご愁傷様」や「冥福」などの
言葉は使いません。
【お金】
香典の金額に死、苦を連想させる
4.9という数字の金額を入れるのはNGです。
新札使わないという習慣もありますが
現代では特にこだわらなくなってきています。
ただ、遺族には年配の方もいるかもしれませんので
新札しか無い場合は軽く折り目をつけるなど
した方が無難でしょう。
【花】
個人で献花したいと思っても
通夜では控えるようにしましょう。
理由としては「亡くなるのを待っていた」
ような印象を与えてしまうからです。
葬儀の際の献花であっても
式場の都合もあるので、
まずは斎場や葬儀社へ確認をしましょう。
花の種類は白い菊が常識とされていますが、
最近では故人の好きだった花を献花することを
許される場合があります。
こちらも確認するようにしましょう。
【食べ方】
通夜ぶるまいでは
一口箸をつけるのが礼儀です。
故人への供養でもあるので
かたくなに固辞するのは
逆に失礼にあたります。
しかし飲食するのは目的ではないので
ずっと食べていたり、大声で談笑したり
するのは控えましょう。
【心遣い】
公にしたくない場合もあるので
遺族はもちろん受付でも
死因を聞くことはNGです。
あくまで故人を偲び
死者を弔いする場なので
私語はできるだけ慎み、
会話をする場合も小声にしましょう。
⑥法要の基礎知識
【四十九日法要】
故人の成仏を祈り
正式な法要を行う事で
忌明けとなります。
近親者や友人などを招き
読経、納骨、会食を行います。
【年忌法要】
亡くなってから1年後の祥月命日が
が一周忌となります。
これを迎えて喪が明けます。
僧侶による読経や説法、焼香、会食を
行うもので親族以外も招かれることも多いです。
法要に招かれたら「御仏前」として
現金を包むが基本です。
以後は三回忌、七回忌、
十三回忌、十七回忌、二十三回忌、
二十七回忌、三十三回忌があります。
キリスト教はカトリックでは「追悼ミサ」
プロテススタントでは記念の集いを行う
場合があります。
神式に年祭と呼ばれる
「五十日祭」を行い
これをもって忌明けとする場合が多いです。
【香典返し】
本来は四十九日の忌明けをもって
挨拶状とともに贈るものですが、
葬儀・告別式当日に「会葬のお礼」と兼ねて
済ませる場合もあります。
品物はお茶、海苔、
ハンカチやタオルなどの
実用品やカタログギフトが多いです。
香典として頂いた金額の1/3くらいの
品物を贈る「半返し」を基本と考えます。
【日取り】
一周忌法要は参会者の都合を考慮して、
必ずしも祥月命日に行われるとは限らないです。
しかし命日以降にやるのはNGです。
命日より前に行うことを覚えておきましょう。
【服装】
施主側は三回忌までは喪服で、七回忌以降は
平服でも問題ありません。
参列者は一周忌では喪服が好ましいですが、
それ以降は平服でも問題ありません。
ただ、毛皮のコートなど殺生をイメージさせる
服はタブーですので注意してください。
【お供え】
最近では故人の好みを尊重して
以前までは避けるべきであった
刺のあるバラや香りの強い花でも
供えるのが許される場合があります。
また、供え物は持ち帰るのが
最近の作法です。
【お墓】
汚れたままのお墓で法要を行うのは
よろしくないです。
遺族は必ず事前にお墓を奇麗に
しておきましょう。
お参りは故人と縁の深い方から順に線香を
消さないように墓石に水をかけて
合掌します。
⑦こんな時どうする?
■ Q:通夜に遅れそうなときは?
A:非常識でない時間であれば受付で詫びて
焼香をさせてもらいましょう。
大幅に遅れてしまうような場合は事前に電話を
しておくと良いでしょう。
通夜には駆けつけるということが一番大切です。
■ Q:葬儀の手伝いを頼まれたら
A:受付の1時間前には会場入りしましょう。
役割は当日決められることが
多いです。責任者がいるはずなので、
指示に従い、わからないことがあれば、
教えてもらいましょう。
■ Q:遠方で行われた葬儀に香典だけ
お送りしたら香典返しが届きました。
お礼状を出すべきなのか…?
A:基本的に香典返しにはお礼はしません。
しかし、一度も合わずに話もしないのは
気まずいものですよね。
その場合は手紙ではなく電話で
「お気遣い、恐縮です。」と
伝えるのがよいでしょう。
お礼ではないので、この時じゃ
「ありがとう」という言葉は
使わないようにしましょう。
■ Q:「ご厚志お断りします」の意味
A:通夜、葬儀の知らせそのように書いていたら
香典、供花、供物のいっさいを
受け取らないといいう意味です。
この場合はお参りだけします。
ちなみに「供花、供物は辞退させて頂きます」と
書いている場合、香典は持っていきます。
まとめ
以上のように
葬儀には多くのマナーが
存在します。
通夜や告別式とは参列者が
故人の死を悼むセレモニーです。
服装のマナーをはじめ、
言動にも失礼がないように
注意しなくてはなりません。
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