これらの接客・接遇用語に加え、クッション言葉を使うことで、
より良い接客・接遇を可能にします。
クッション言葉には表現を和らげる効果があります。
例えば、お客様にお願い、質問、断る場面はなかなか言葉に
しづらいものですが、クッション言葉を使うことで
相手の機嫌を損ねることなく、且つ相手への配慮が感じられるので、
お客様に自身にも「丁重に扱ってもらった」という
余韻を残すことができます。
これらの一言を添えるだけでお客様に与える印象は大きく変わります。
具体例をみてみましょう。
(ex)お断りする場合
「申し訳ございませんが、定番商品のため、これ以上の値引きはいたしかねます。
ご予算に合うものを提案いたしますが、いかがでしょうか?」
【クッション言葉+理由+肯定的否定+代替案+ありがとうございます(恐れ入ります)】
わかりません⇒わかりかねます
ありません⇒きらしております
できません⇒いたしかねます
いません⇒外出しております
(ex)お願いをする場合
「申し訳ございませんが、ただ今満席のため、
こちらでお待ちいただけますでしょうか?恐れ入ります。」
【クッション言葉+理由(〜のため)+お願い依頼形】+恐れ入ります】
お待ちください⇒お待ちいただけますか
お待ちいただけますでしょうか
お待ちいただけませんででしょうか
いかがですか?
クッション言葉によって表現がやわらかくなりましたね。
実際の現場ではこういったシチューエーションになることも多々あると思います。
是非クッション言葉をマスターしましょう。
ここまで、敬語、言葉遣いのポイントをお伝えしてきましたが、
接客・接遇において話すことと同様に聴くことも、また非常に重要です。
聴くメリット
①相手のニーズがつかめる
お客様に何か提案をしたり、説明をする際に、相手が
・何を知りたいのか
・何に困っているのか
・何を必要としているのか
を聴くことで、的を得た提案や説明ができます。
せっかく良い提案をしても相手のニーズに沿っていなければ意味がありませんよね。
②こちらの話にも耳を傾けてもらえる
人は自分の話に耳を傾けてくれる人に好意を持つため、
相手に寄り添う聴き方ができると、こちらの話も聴いてもらいやすくなります。
以上のことからわかるように、聴くことはとても重要です。
実は上手く相手の話を聴くことができる人はコミュニケーションの
主導権を握ることができます。主導権を握れる聞き方のポイントは3つあります。
コミュニケーションの主導権を握れるポイント
①聴く姿勢がある
スムーズにコミュニケーションがとれるかどうかは聴き手次第であり、
しっかりと聴く姿勢を態度で示せれば、
それだけでコミュニケーションは円滑になります。
聴く時の態度のポイントとして…
・アイコンタクト
・うなずき
・少しだけ相手に状態を傾ける
・(サービス業は)手を前で重ねる
・相手の話に表情を合わせる(クレームの話のときには真剣な表情で、楽しい話題のときには笑顔で)
・必要なときにはメモをとる
聴いているという事を全身で表現することが大切です。
②要約力がある
お客様の話がわかりづらかったとしても、
要約することでお客様のニーズに応えることができます。
要約力を高めるポイントとして…
・自分の意見や感想は含めない
・メモをとりながら聴く
・5W2Hは漏らさず聴く
・相手の感情に巻き込まれない
・何を言ったのかという事実を伝えるようにする(主観と切り離すことが大切です)
お客様の話を途中で遮って「つまり○○ということですね」
と言ったりせず、最後まで耳を傾けることを意識しましょう。
話しているお客様本人も何が言いたいのかわからなくなる場合もあります。
お客様の話を要約し整理することでお客様自身も伝えたい内容を確認することができ、
結果お客様のニーズに沿った応対を可能とします。
③思いやりの気持ちを持つ
お客様に満足してもらうためには、相手に対する思いやりの気持ちを
持っていることが何よりも大切です。思いやり=相手を知ろうとする気持ちです。
そして相手を知るには、まずは話すことより聴くことが大切です。
接客・接遇の極意はホスピタリティマインドの表現にあると私は考えています。
この表現のために言葉遣い、聴き方というのは、とても役にたつものです。
今回の内容が実際に接客・接遇の現場に出た際に、
あなたの助けになってくれればとても嬉しいです。

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