クレーム事例紹介2

どの業界においても、クレームというものは起こりうるものです。
あなたがクレーム処理を行わなければならない事態に直面することもあるでしょう。

今回は、事例をみながらクレームに対しての向き合い方についてお伝えしていきます。

実際にあったクレームの事例紹介を通しどのように応対するのがベストであったかを
考えていきましょう。
部屋が狭いと言っているのに、フロント係はなぜ謝らないの?

夏休み友人と旅行をすることにしたS子さん。
旅行好きなS子さんは旅慣れていることから、ホテルの予約を担当することにした。

しかし、夏休みシーズンということもあり、めぼしいホテルはどこも満室。
そんな状況の中で、ようやく予約をとることができたホテルがあった。
予約係との電話では「角部屋でしたら、ご用意できます。」とのこと。
S子さんは今まで宿泊したホテルの角部屋はどこも広くゆったりしていたのを思い出し、
良い部屋が見つかったと胸をなでおろし、その場で予約することにした。
しかし、この電話予約の際、料金は確認したが部屋の作りまでは確認をしなかった。
角部屋だから当然ゆったり過ごせるに違いないと思い込んでいたのである。

旅行当日、ホテルにチェックインし部屋に入ってみると想像していた部屋との違いに
がっかりした。
思っていた以上に部屋が狭かったのだ。

実はこの部屋には太い柱があり、ベッドは2台と1台に分かれて配置されていた。
その為に部屋が狭く感じてしまったのである。

S子「何、この部屋の狭さ!!名前を知っているホテルだから期待していたのに・・・
これじゃ3人でゆったりと過ごせないじゃない。」

友人「気にしないで。予約しちゃったんだから、諦めるしかないわよ。」

と友人はS子さんをなだめるものの、S子さんは納得できない。

「どうにかしてもらうわ!!フロントに電話してみる。」
と言ってS子さんはフロントに電話をした。

フロント係「フロントでございます。」

S子「1305号室の者ですが、角部屋なのに部屋が狭すぎるんじゃありませんか?
これではゆったりくつろげないじゃない。
電話予約をしたときに何で言ってくれなかったのよ!!どうにかしてよ!!」

フロント係「私どものホテルの角部屋はすべて同じ作りになっております。」

S子「だったら、部屋に柱があって凹凸があるために部屋が狭い事を前もって
教えてくれても良いでしょう!!なんで教えてくれなかったのよ!!」

電話を受けたフロント係のEさんは長年ホテルに勤めているが、
今回のような苦情は初めてであった。
確かに柱がある分、部屋に圧迫感はあるが広さは十分にある。

部屋の広さにこだわっていたのなら、予約のときに確認すればいいのに・・・。
電話口で尋ねられたら説明をしただろう。

「角部屋だから広いと思い込んでいた」
というのはお客の思い込みであってこちらには非がない。

わがままなお客だなとEさんは思った。

フロント係「もちろん、ご予約の際にお部屋の広さについてのご質問がございましたら、
私どももお答えいたしましたが、尋ねられていない事については、さすがにお答えすることは
できかねます。現に料金についてのご説明などはしておりますし、
お客様にはご了承頂いた上で、ご予約をして頂いたと思うのですが・・・。」

S子「なによ、それじゃ、どうにもならないっていうの!?」

フロント係「はい、本日は満室でございますし・・・。」

S子「はぁ・・・もういいわ。あなたたちのせいで楽しいはずの旅行が台無しよ!!」

と言い放ち電話を勢いよく切った。
その様子を見ていた友人達はだまりこんでしまい、
楽しいはずの旅行が一変してつまらないものになってしまった。

あなたはどう感じましたか?
ではそれぞれの立場になり考えてみましょう。

S子の言い分
広い部屋だと思って予約したのに、あまりにも狭いのでがっかりした。
苦情の電話をフロントに入れたら、「うちの角部屋はすべて同じ広さです」
とお詫びの言葉もない。

しまいには部屋の広さを確認しなかった私が悪いみたいな言い方をされて本当に腹立たしい。
せめて謝ってくれてもいいのに。友達をがっかりさせた私の立場もわかってほしい。

フロント係Eさんの言い分
この部屋にはベッドが3つも入っている。
それだけの広さがあるのに、なぜ苦情を言われるのかが、まったく理解できない。

長年このホテルに勤めてきたがこのようなクレームは初めてだし、
もちろんトラブルになったことは今まで一度もない。
このお客が勝手に部屋の広さを過度に想像して、
自分が思っていたより狭かったというだけじゃないか。
ワガママなお客が宿泊してしまったものだ。

どのように応対すべきであったか
今回のケースの場合S子さんの言い分は自分勝手で、横柄な態度といえるでしょう。
しかし、こういった場合でも相手の怒りをおさめることが求められます。

今回の場合、EさんはがっかりしているS子さんの心を読み取って、
「こちらの説明不足で申し訳ありません。」と一言謝罪をしてから、
部屋の説明をしていればおさまったかもしれません。

Eさんやホテル側には非がなく、
謝罪する必要はないと考える方もいらっしゃるかもしれませんが、
ホテル側は電話予約の際に

「角部屋がご用意できますが、当ホテルは建築上、部屋には柱がありますので、
多少、狭く感じるかもしれませんがよろしいでしょうか?」

といった確認をS子さんにするべきでした。

その説明をしていれば苦情の電話を受けることもなかったわけですから・・・。
この点から一言、説明不足であったことについては謝罪をするべきであると考えます。

また、S子さんの要望は広い部屋に変更して欲しいというものです。
しかし満室である状況からそれは出来ません。
そういった場合は別のサービスをするという事で納得してもらうのはどうでしょうか?
例えば、モーニングコールのサービスや食事の際に一品サービスといったように、
がっかりさせてしまった気持ちを取り戻すために付加価値を提供するのがオススメです。
このような俗にいうタチの悪いクレーマーともとれるお客には、
まずは不快な思いをさせてしまった事を謝罪します。

その上で要望に対しできること、できないことを相手の怒りを刺激しないように丁寧に
説明することが大切です。
受けることのできない要望については別の代替案を提示することで
納得してもらえる事が多くあります。

きちんと応対することで、
その後も利用して頂けるような顧客へとなる可能性が高くなります。

このような面倒なクレームに対しても誠実に応対することは、確かな経験となり、
解決することができれば大きな自信となります。
その経験によって様々なケースのクレームにも応対することができるでしょう。

クレーム応対から逃げずに向き合うということは、
同時にその先にある顧客獲得のチャンスを得ているということを忘れないことが大切です。

 

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