こんにちは。喜多村明子です。
今回は、司会者の資質と役割についてです。
はっきり言います。
目立ちたい!マイク大好き!しゃべりが面白いと言われるし自信ある!
……という人は、あまり向いていません。
よく美声と褒められる!聴衆を酔わせたい!
……という人も、あまり向いていないでしょう。
もちろん趣味や、仲間内の人気者としてなら思う存分やってもいいのですが、少なくともギャラが発生したり、「何らかの経済的要素が絡む司会者」ならば、そのスタンスはNGです。
大きく誤解されていますが、司会者は「しゃべること」が仕事ではないのです。
思うに、司会者に向いているのは、
・人前に出ることが好きというより、苦ではない人。
・自分がしゃべってもしゃべらなくても、どちらでもいい人。
・しゃべる時は、マキシマムな内容をミニマムな言葉数で伝えられる人。
・ご要望があれば、大きな空気感と豊富なボキャブラリーでよくしゃべり、その場を楽しませることができる人。
・ご要望がなければ、黙ってにこにこ見守ることができる人。
・視野が広く、バランス感覚がある人。
ではないでしょうか。
司会者のことを「MC」といいますね。
バラエティ番組などでも進行役のことを「MC」といいます。
MC = Master of Ceremonies
その場のマスター。支配者です。しかしどこにも「しゃべる」という意味はありません。
大きく解釈すると、その場が「良き場」となるよう、空気を支配し操作する人。
もちろんMCがしゃべることによって、空気が一変することは多々あります。それは「しゃべる技量」がある人の為せる技です。
だからこそ一般的には 司会=しゃべる人 という認識があるようです。
しかし、本質的にはそうではありません。
スポットライトを浴びるべきは、そのイベントの主役(人物とは限りません)や、それに華を添えるゲストです。決して司会者ではありません。
主催者が「今日のイベントは成功だったなぁ」と満足し、
ゲストが「今日はいいイベントに出演できたなぁ」と満足し、
オーディエンスが「今日は楽しいイベントに参加できたなぁ」と満足する。
そう感じさせるのが、いい司会者です。
極端なことを言えば、存在感も必要ないかもしれません。
いっそしゃべらなくてもいいくらいです。
では、しゃべらずしてどのように場を支配するのか?
次回に続きます。