【第10回】 好感を持たれる話の聴き方 その3

印象管理コラム

 こんにちは。マナーコンサルタントの樋口智香子です。話を聴くとき、やってはいけないことがあります。自分に悪気はなくとも、相手に不快に思われてしまう言葉や行動。知らず知らずのうちに、していませんか?日頃の言動をふり返ってみてください。

話を聴くときのNGワード

「でも」「だって」「だけど」

 これらは、相手の話を否定するフレーズです。聴き手に否定的な言葉ばかり使われると、話し手は、話を続ける気がしなくなります。口癖のようになってしまっている人がいますので、日頃の会話の中で無意識につかっていないか、ふり返ってみてください。時には、相手と意見の相違があるでしょう。そんなときでも、否定的なフレーズは使わず、「そういう考え方もあるのですね。」と、一旦受けいれる姿勢をとりましょう。

「だから」

 「だから」というフレーズには、「私が意図していることを、なぜわからないのですか?」というニュアンスがあります。これは、あまりにも自分本位で身勝手ですね。自分が伝えたつもりでも、相手には伝わっていないことは往々にしてあるものです。伝わるように話すこと。これは会話の大前提です。

わからないことを、わからないままにしない

 相手の話の中に、意味のわからないフレーズがでてきた。こんなとき「そうなんですか~。」とわかったようなふりをしてしまうこと、ありませんか?これも「そんなことも知らないのか」と恥ずかしい思いをするのが嫌だ、という自己本位な行動ですね。相手は、上っ面な相づちをうっていることを、何となく察知してしまうものです。わからない言葉は、わからないままにしないこと。「○○って何ですか?」と思いきって質問すると、会話はよりスムーズになります。

 100万部を突破したベストセラー、阿川佐和子さんの著書「聞く力~心を開く35のヒント」の中に「素朴な質問を大切に」という章があります。聖飢魔Ⅱのデーモン小暮さんに「ヘヴィメタって何ですか?」という、ロック界では基本中の基本のような質問を、思いきって尋ねたところ、親切丁寧に教えてくださったというエピソードが載っています。躊躇してしまうような基本的なことでも、思いきって質問する大切さを感じる、素敵なエピソードです。

嫌われるのは、相手の会話のキーワードを拾って、主導権を握る人

 相手が話しているのに、すぐに自分の話を展開して、会話の主導権を握ってしまう人がいます。例えば相手が「先日、ディズニーランドに行ったんだけど、すごく混んでいたよ。」と、話はじめたとしましょう。話し手は、この後どんなことをしたのか、もっと掘り下げたいはずです。主導権を奪う癖のある人がやってしまいがちなのが、次のようなパターンです。

「そうなんだ、私もしょっちゅう行くよ。今度、新しいショーが始まるでしょう。それはね…」

 いかがでしょうか。「ディズニーランド」というキーワードを奪って、自分の話したいことを話はじめてしまっていますね。これでは、相手もウンザリしてしまいます。まずは、相手の話したいことを、徹底的に聴くこと。「それで?」「どうだった?」と、促して、話を盛りあげます。自分の話をするのは、その後です。





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